異文化コミュニケーション
強みと特別をもっと外に、エスモットです。
映画を観ました
突然ですが、休憩がてら「天使にラブソングを」を観ました。
これはおもしろいと思ったので、その理由を考えました。
ストーリーを抜粋すると下記の通りです。
- クラブ歌手のデロリスがひょんなことで、マフィアのボスの殺人現場を目撃
- 紆余曲折あって、修道院に匿われることに
- クラブ歌手と尼の生活の違いに不満たらたら
- ついつい夜の街に出てしまうデロリス、尼二人ついて行っちゃう
- 当然怒られる
- 聖歌隊の指揮者を任される
- 歌手としての実績が聖歌隊に活かされ、ドへたくそな聖歌隊がうまくなる
- まさかのブギウギアレンジする
- 閉鎖的だった修道院にアレンジ曲を聞きに、外の人がやってくる
- 修道院の院長とぎくしゃくする
- 今までにない聖歌隊が人気になり、閉鎖的だった修道院が外部の人と触れ合える空間になる
- 人気を聞いたローマ法王の前でコンサートをすることになる
- 修道院にいることがバレて、マフィアにさらわれる
- 修道院の院長筆頭にデロリスを助けにいく
- 無事に助かり、法王の前で聖歌隊の最高のパフォーマンスができた
という感じです。
途中から、これって、経営の話としても面白いんじゃないの?と思いました。
そもそも、クラブ歌手と尼という職は親和性が一見してありません。
修道院の院長(保守派)からするとやっかいな人種でしかありません。
違う考えを取り入れる
舞台となった修道院はミサに人が来ず、寄付がないため、修繕すらままならない状態でした。(万年赤字体質)
閉鎖的であったため、外部の人が来るはずもありません。
高いフェンス、閉ざされた扉(今までのやり方)
これでは新しい考えや施策を実行しようにも、外部の人(顧客)が何を求めているかわかりません。
そこにデロリスという異端児がやってきます
デロリスが聖歌隊にアレンジを加え外部の人の興味を抱かせます(AIDMAのInterest)
アレンジとは言え、元の歌詞のままであったり、聖歌隊としての目的は損なわれていないところがポイントです。
ただ、客を呼ぶためになんでもかんでもしているのではなく、目的を忘れず、顧客が求めている事を遂行しています。
保守派と改革派
レヴィンの変革モデルをご存知でしょうか
組織の変革は解凍→変化→再凍結という3段階を経るというものです。
私は主人公のデロリスの存在はさることながら、院長の存在にも注目していました。
院長は組織でいうところの保守派です。
外は危険である、フェンスによって守られている、以前の聖歌隊の厳正な聖歌を法王にきかせるべきだ。
この様に、事あるごとに保守派・反対派として、キャラ立ちしています。
院長の言うことも一理あります。
ですが
今までそれなりにうまくいっているから、今のやりかたでいい。
新しいことは危険だから、危険をおかすならやらない方がいい。
新規顧客が展示会に来ても従来の商品をみせればいい。
このようにすると、あ、この会社、新しい取り組みをしないんだな。と思われるかもしれません。
今の時代、今のままで成長ができるほど、甘くありません。
この映画ではレヴィンの変革モデルの解凍→変化→までが院長の心の中で起きています。定番と言えば定番ですが、まさか映画でこのモデルを思い出すとは思いませんでした。2では再凍結まで進んでいるかもしれません。
今までにないニーズを取り入れる
外部の人(新規顧客)がきたおかげで、寄付(売上)が集まり、修道院を修繕できました。
この修道院は既存顧客が著しく少ないです。ですが、毎週来てくれます。
ですが、その寄付では維持でできない状態です。
そうなると、閉鎖するか、新規顧客を取り入れるしかありません。
デロリスが来たおかげで新規顧客を迎え入れることができ、閉鎖には至りませんでした。
新しい風を吹かせるためには新しい場所に行かなければ、一向に吹くことはありません。
異文化とも思われるクラブ歌手と尼でしたが、尼の仕事の中で「聖歌隊」という歌手と親和性を持つ一部分が結果として、修道院を救い、さらに自分も救うこととなりました。
自分の職業が別の職業の一部分と親和性があれば、さらなる飛躍を別の職業に与えることができるかもしれません。
異文化と触れ合う機会を多く持つ方が人生の励みになるかもしれませんね。
コメディ映画としても面白い作品でした。